(14)比較対象の武蔵小山パルムからの想像


 まず「武蔵小山駅」は山手線の目黒駅から延びる東急目黒線の駅でありwikiによると「武蔵小山商店街「パルム」は完成当時「東洋一」と称えられ現在でも東京都内では最長の800mのと約250店舗を有する。商店街は、駅前を始端とすると中原街道まで至って終端となるが、すぐ近くから戸越銀座商店街が始まり、長大な商圏を形成している。」通勤通学は渋谷まで15分、東京駅まで29分の駅である。その駅前にできたのが武蔵小山パルム駅前地区のタワマン「パークシティー武蔵小山ザタワー」である。

武蔵小山パルム駅前地区 と 千歳烏山駅前広場南側地区 の比較

項目

武蔵小山パルム駅前地区

千歳烏山駅前広場南側地区

 

事業主体・事業協力者

武蔵小山パルム駅前地区市街地再開発組合/事業協力者・売主:三井不動産レジデンシャル・旭化成不動産レジデンス(2017.11発表、パークシティ武蔵小山)

準備組合(2022.12.20設立)/事業協力者:三井不動産レジデンシャル・三井不動産(2023.3候補選定、同年5.18協定)

         

●パルムは2019年(令和元年)12月に竣工しており、販売自体は2017年(平成29年)から始まっている。一方、千歳烏山はまだ都市計画決定前の段階で、確定した情報が少ない。そこで、先に完成しているパルムを一つのモデルケースとして参考にしながら、千歳烏山が今後どうなっていきそうかを推測してみる。

事業者の構図が同じであること


●パルムはすでに三井不動産レジデンシャル・旭化成不動産レジデンスの2社が事業協力者・売主になっている。

●千歳烏山も事業協力者は三井不動産レジデンシャル・三井不動産の2社体制で、パルムと似た構図になっている。このまま進めば、千歳烏山も同様にこの2社が事業協力者から売主へと移行していくと想像できる。


 

施行区域面積・敷地面積

約7,420㎡

施行区域約1.5ha(うち建築敷地面積約8,900㎡)


●パルムの施行区域面積(=敷地面積)は約7,420㎡。

●千歳烏山の施行区域面積は約1.5ha(15,000㎡)で、パルムの約2倍の広さがある。ただしそのうち実際に建物を建てる建築敷地面積は約8,900㎡で、こちらはパルムの敷地面積の約1.2倍にとどまる。つまり千歳烏山は、施行区域全体としてはパルムよりかなり広いが、建物本体が建つ敷地の広さで見るとパルムとの差はそれほど大きくない。

 

建蔽率

約67%

指定建蔽率80%(耐火建築物のため建基法53条6項1号により制限なし=100%)。高度利用地区の公共貢献要件(建ぺい率減30%・壁面後退4m・広場20%)で実質上限70%(6,230㎡)。建築面積約5,700㎡÷敷地約8,900㎡≒64%でこの範囲内(区都計審資料2026.8.20で確認)


●パルムの実績約67%、千歳烏山の計画約64%で、実際の数字としては近い水準。生い立ちが違う(パルムは通常の商業地域、千歳烏山は高度利用地区の割増と引き換えの70%上限)という背景はあるものの、結果の数字同士としては「ほぼ同水準」と考えて良さそう。

容積率

約700%

700%(最高限度、高度利用地区適用時。適用要件として「容積率200%の割増」と説明、うち200%が上乗せ分)/200%(最低限度)


パルムの67%も700%は、すでに完成して実現済みの確定した数字。千歳烏山の(70%上限内の)64%も、(500%+200%の)700%も、どちらも同じ公共貢献要件を満たすことが前提の、まだ都市計画決定前の計画案の数字であることに注意の上での比較。でも似ている!

 

延べ面積

約75,000㎡

約88,600㎡(建築面積約5,700㎡)

 

高さ・階数

約142m、地上41階・地下2階

約140m(高さ限度)、地上34階・地下2階(準備組合案の断面イメージで確認。B1〜3F商業等、B2〜3F駐車場・機械室)

 

パルムの約75,000㎡・約142m・地上41階は、すでに完成して実現済みの確定した数字。千歳烏山の約88,600㎡・約140m・地上34階は、都市計画決定前の計画案の数字。まあ似ている!


 

住宅戸数

624戸

約600戸(人口増加約1,200人程度と想定。世田谷区都市計画原案Q&Aで確認)

 

駐車台数

約205台

商業約120台+住宅約200台(世田谷区素案説明会資料で確認。他の質疑応答資料には記載なし)

 

住宅戸数はパルムが624戸(確定)。千歳烏山は約600戸で、人口増加約1,200人からの想定。駐車台数はパルムが205台(確定)。千歳烏山は商業120台+住宅200台の合計約320台。


パルム624戸の内訳(権利床・協力者・一般販売)

パルム624戸の内訳:

権利床121戸(既存地権者への引渡し分)、

事業協力者保有16戸、

一般販売487戸(2017年11月20日付・三井不動産レジデンシャル/旭化成不動産レジデンス共同プレスリリースで確認)。

つまり624戸のうち実際に市場で売られたのは487戸だけで、残り137戸は権利変換や協力者向けとして最初から非販売。


 

総事業費

約460〜467億円(都都市整備局HP・品川区議会答弁ベース)

非公表。準備組合ニュース22号(2025.6):「資金計画は都市計画決定後の組合設立にあたり都へ提出する内容のため現時点の資料には含まれない」

 

補助金

約101億円(総事業費比B/A≒22%、品川区議会答弁)

未定。世田谷区回答:「都市計画決定以降、設計費・工事費等のうち要綱に基づき対象等が決まり交付。予算時期は現時点で不明」

総事業費・補助金の説明

総事業費・補助金:パルムは総事業費約460〜467億円、補助金約101億円(総事業費に対する比率B/A≒22%)と、東京都都市整備局HPと品川区議会答弁で具体的な数字が判明している。

一方、千歳烏山はどちらも未公表・未定。準備組合ニュース22号(2025年6月)は「資金計画は都市計画決定後の再開発組合設立にあたって都に提出する内容となるため、現時点の資料には含まれていない」と説明。世田谷区も「都市計画決定以降、設計費・工事費等のうち要綱に基づき対象などが決まり、補助金を交付することになる。予算の時期は現時点では分からない」と回答している。つまり資金計画は、都市計画決定→本組合設立→東京都へ提出という順序を経て初めて具体化する仕組みで、都市計画決定自体が未決定の千歳烏山では、総事業費も補助金も試算・比較できる段階にない。


がしかし・・・試算・比較はできないものの次回では想像をしてみよう!












コメント

このブログの人気の投稿

(01)そもそもの発端は駅前広場

(02)世田谷区がどこを、どれだけ(代替地と交換もあり)買わなければならないか

(04)規制緩和の流れを作ちゃった保坂区長