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目次

  ■ そもそもの発端と、区が仕組んだ構造 (01) そもそもの発端は駅前広場 8/1 (02) 世田谷区がどこを、どれだけ(代替地と交換もあり)買わなければならないか 8/1 (03) 駅前広場の買収不調 8/3 (04) 規制緩和の流れを作ちゃった保坂区長 8/4 (05) 手続きはちゃんとやった、と言う役人と、知らない区民 8/4 (06) 2021年、駅前広場と大規模再開発を結びつける仕組みがつくられた 8/5 ■ なぜタワマンなのか (07) タワマンが出てくるまで 8/7 (08) 下北沢駅周辺地区にはなぜタワマンがないのか 高さ制限60mの事実 8/8 (09) 区議会は何を問いただしたのか 8/8 (10) 区民からの質問への区の対応 8/9 (11) タワマンの原因は駅前広場を再開発地域に入れたから(上) 8/11 (12) タワマンの原因は駅前広場を再開発地域に入れたから(下) 8/12 ■ どんな建物になりそうか(比較からの想像) (13) 千歳烏山タワーマンション事業を想像する 8/26 (14) 比較対象の武蔵小山パルムからの想像 8/28 (15-1) 似てるタワマンの異なる点と総事業費 8/29 ■ いくらになりそうか(私的試算) (15-2) 総事業費、いくらになりそうか想像してみる 9/5 (15-3) 総事業費と補助金、いくらになりそうか想像してみる 9/5 (15-4) デベロッパーの利益を乗せるといくらになるか 9/5 (15-5) 広さ別に価格を想像してみる 9/5 (15-6) 実際の周辺相場と比べてみる/まとめ 9/5

(15-6)実際の周辺相場と比べてみる/まとめ

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⑥/⑥ 実際の周辺相場と比べてみる/まとめ 全6回シリーズの最終回です。ここまで積み上げてきた想像価格が的外れでないか、千歳烏山駅から徒歩5分以内の実際の中古マンションの売り出し価格と照らし合わせ、最後に全体をまとめます。低層の建物と高層タワーでは同じ「駅前」でも条件が違うので、所在階と建物の総階数も並べます。新築マンションは駅徒歩5分以内には見当たらず、一番近いものでも徒歩9〜10分(アトラスシティ千歳烏山グランスイート、166万円/平米)でした。 物件名 価格 専有面積 築年数 駅徒歩 階/総階数 平米単価 ライオンズステーションプラザ千歳烏山 6,980万円 56.51㎡ 築31年 2分 5階/13階建 約124万円 ライオンズステーションプラザ千歳烏山 7,980万円 59.67㎡ 築31年 2分 2階/13階建 約134万円 ボヌール上祖師谷 8,480万円 89.72㎡ 築34年 4分 4階/7階建 約95万円 サーパス南烏山 10,480万円 115.6㎡ 築38年 5分 4階/5階建 約91万円 芦花公園プレスティージュ 13,600万円 130.36㎡ 築39年 5分 3階/10階建 約104万円 ダイホープラザ千歳烏山B棟 2,880万円 43.97㎡ 築40年 5分 4階/4階建 約66万円 (参考)エルザ世田谷 11,880万円 81.1㎡ 築21年 7分 24階/29階建 約147万円 駅徒歩5分以内の6件はいずれも5〜13階建ての中低層で、平米単価は66万〜134万円、平均するとだいたい100万円前後です。最後の1件だけ徒歩7分と少し外れますが、エルザ世田谷という実在する29階建てタワーの24階の部屋で、単価は147万円でした。低層の中古と比べてタワーの高層階がどれだけ高くなるかを示す、数少ない実例です。 今回想像した千歳烏山タワマンの平米単価は127万〜234万円(65〜90平米、地価差・将来上昇分を反映後)。周辺の中低層中古(平均100万円)に対しては1.3〜2.3倍、実在するタワーの高層階(エルザ世田谷24階、147万円)に対しては0.9〜1.6倍です。つまり、低層の中古と比べれば大幅な上振れですが、実際に建っているタワーの高層階と比べる限りでは、想像レンジの下限(127万円)はほぼ同水準、上限(234万...

(15-5)広さ別に価格を想像してみる

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(15)総事業費と補助金、いくらになりそうか想像してみる ⑤/⑥ 広さ別に価格を想像してみる 全6回シリーズの5回目です。前回④では、原価にデベロッパーの利益を乗せた「平均」の価格を見ました。今回は、住戸の広さ別に価格を想像してみます。 広さ別に価格を想像してみる 住戸の広さの目安は、マンションの実際の市場データから決めます。国土交通省の「誘導居住面積水準」(4人世帯95平米など)という数字もありますが、これは全国一律の政策上の目標値であって、都市部の分譲マンションの実際の供給とは別物です。ここでは、実際に売られているマンションの間取り別の広さの相場を使います。 不動産情報サイトの解説によると、3LDKは70平米前後が最も供給の多い標準サイズです(ノムコム調べ)。ただし、職人の人件費上昇などによる建築費の高騰を受けて、郊外を中心に専有面積を切り詰めた60平米台のコンパクトな3LDKも増えているという指摘があります(JBpress調べ)。4LDKは70〜120平米と幅があります(SUUMO調べ)。これに、千歳烏山のある世田谷区の新築マンション平均が75〜80平米帯(23区平均66.67平米より広め、LIFULL HOME'S調べ)という実測値も重ねて、3つの広さを設定します。 広さの目安 位置づけ 根拠 65平米前後 3LDKのコンパクトタイプ(増加傾向) 3LDK相場60平米台〜/23区平均66.67平米 75平米前後 3LDKの標準・人気サイズ 3LDK標準70平米前後/世田谷区平均75〜80平米帯 90平米前後 4LDKのゆとりタイプ 4LDK相場70〜120平米の中間よりやや上 この3つの広さについて、パルムの実際の価格2点(47.08平米=143万円/平米、122.11平米=216万円/平米)を結んで、65・75・90平米それぞれの㎡単価を按分します。(この2点は2017年11月20日のプレスリリース記載の第1期価格帯6,750万円〜26,390万円・面積47.08〜122.11平米から算出した数字で、最安値の住戸が最小面積、最高値の住戸が最大面積という前提で計算しています) そこに地価の差を反映させます。駅前同士の公示地価(2026年)は武蔵小山212万円/平米・千歳烏山167万円/平米で、千歳烏山はおよそ2割安いため、按...

(15-4)デベロッパーの利益を乗せるといくらになるか

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(15)総事業費と補助金、いくらになりそうか想像してみる ④/⑥ デベロッパーの利益を乗せるといくらになるか 全6回シリーズの4回目です。前回③で、収支ベースの平均単価(低めのケースで約9,100万円、高めのケースで約1億1,100万円)を出しました。今回は、その原価にデベロッパーの利益を乗せるといくらになるかを計算します。 デベロッパーの利益を乗せるといくらになるか その原価(収支ベースの平均単価、低めのケースで約9,100万円、高めのケースで約1億1,100万円)に、デベロッパーの利益を3%・5%・8%・10%乗せると、平均でいくらの住戸になるのかを計算してみます。ここでの「利益○%」は、原価に対してその割合を上乗せする、という単純な計算です。 デベロッパー利益率 低めのケース(原価約9,100万円) 高めのケース(原価約1億1,100万円) 3% 約9,400万円 約1億1,430万円 5% 約9,600万円 約1億1,660万円 8% 約9,800万円 約1億1,990万円 10% 約1億円 約1億2,210万円 利益率を10%まで乗せても、平均の販売価格は低めのケース(10年前の建設費等)でだいたい1億円程度、より現実的な高めのケースでも約1億2,210万円にとどまります。 これは大小さまざまな住戸をならした「平均」の話であり、次回⑤で見る、広さ別の想像価格(75平米で1億3,000万円台〜、90平米で1億7,000万円台〜。パルムの2017年11月20日プレスリリース記載の第1期価格帯6,750万円〜26,390万円・面積47.08〜122.11平米から算出)と比べると、高めのケースでも75平米の水準には届かず、90平米はさらに大きく上回ります。 つまり、デベロッパーが仮に平均10%程度の利益を見込んでいるとしても、それだけでは広さ別の想像価格の高い方は説明がつかず、 広い住戸ほど利益率を高めに乗せている(狭い住戸は原価に近い価格で薄利多売、広い住戸で稼ぐ)可能性がある 、という見方もできます。 次回⑤では、住戸の広さ別に価格を想像してみます。

(15-3)総事業費と補助金、いくらになりそうか想像してみる

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(15)総事業費から補助金、いくらになりそうか想像してみる ③/⑥ 補助金・売り出し戸数・収支ベースの平均単価 全6回シリーズの3回目です。前回②で、千歳烏山の総事業費の想像レンジ(約550億円〜690億円)を出しました。今回は、そこから補助金の額、一般売り出し戸数、そして収支ベースで必要な平均販売価格を計算(想像)します。 補助金はどれくらいか 補助金についても、武蔵小山の実例では総事業費のだいたい2割前後(22%〜25%)が補助金という形になっています。これを千歳烏山の想像総事業費(550億円〜690億円)にあてはめると、低めに見て約120億円( 550億円という前提=工事費がこの10年上がらなかった場合 )、高めに見て約170億円という計算になります。 売り出し戸数はどれくらいか パルム624戸の内訳は権利床121戸、事業協力者保有16戸、 一般販売487戸。 (2017年11月20日付・三井不動産レジデンシャル/旭化成不動産レジデンス共同プレスリリースで確認)、 全体の約8割です。この割合を千歳烏山の想像総戸数(約600戸)にあてはめると、一般に売り出される住戸は470戸前後になるかもしれません。 地区 総戸数 一般売り出し戸数 割合 パルム(実績) 624戸 487戸 約78% 千歳烏山(想像) 約600戸 約470戸 同程度と仮定 総事業費から見て、いくらで売らないといけないか 総事業費のうち補助金でまかなえない分は、住戸(保留床)の販売代金で回収する必要があります。単純に「総事業費-補助金」で必要な販売総額を計算し、それを一般売り出し戸数(約470戸)で割ると、平均でいくらの住戸を売らないといけないかが見えてきます。これは当てずっぽうですが。 低めのケース 高めのケース 総事業費 550億円 690億円 補助金 120億円 170億円 販売で回収が必要な額 430億円 520億円 一般売り出し470戸の平均単価 約9,100万円 約1億1,100万円 つまり、どちらにしても、住戸1戸あたり平均で1億円前後(平均価格差は2000万)で売れないと、総事業費と補助金だけでは収支が合わない計算になります。もちろんこれは大小さまざまな住戸をならした平均であり、実際は小さい住戸ほど安く、大きい住戸ほど高くなります。 な...

(15-2)総事業費、いくらになりそうか想像してみる

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(15)総事業費と補助金、いくらになりそうか想像してみる ②/⑥  面積で引き伸ばすといくらになるか、金利という変数 全6回シリーズの2回目です。前回①で示した武蔵小山パルムの実績を、㎡単価ベースで千歳烏山の延床面積(88,600㎡)に換算し、事業規模を推計します。 面積で引き伸ばすと、いくらになるか ここで一つ、前提として説明しておきます。 マンションの「工事費(建築費)」自体は、時期による変動は大きいものの、逆に時期が同じであれば東京都内であれば立地によってそこまで大きくは変わらないとされています。(同じマンションシリーズでグレードが同じなら) コンクリートや鉄骨の資材費、職人の人件費といった建築コストの実体は、世田谷区だろうと品川区だろうと基本的に同じだからです。 変わるのは主に「地価」、つまり土地そのものの値段のほうです。そのため、ここから先の総事業費の計算では、パルムや小山三丁目の延床あたり工事費をそのまま千歳烏山にあてはめ、時期による建築費の変化(後述する金利や資材高騰分)だけを考慮し、地価の差は反映させません。 逆に、住戸の「販売価格」は立地の影響を強く受けるので、後半(⑤)の広さ別価格の章では地価の差を反映させます。 パルムの延床面積は75,000㎡。千歳烏山は88,600㎡で計画されているので、単純に面積の比率でパルムの総事業費を引き伸ばすと、 だいたい550億円 くらいになります。 ただしこれは2016〜19年頃、パルムを建てた当時の工事費水準です。 建築費はここ数年でかなり上がっています。参考までに、同じ武蔵小山で今まさに動いている「小山三丁目」の再開発(着工2029年度予定=千歳烏山とほぼ同時期)の延床あたり単価と比べてみます。 地区(着工時期) 延床面積 延床1㎡あたりの総事業費 パルム(2016年着工) 75,000㎡ 約61万円 小山三丁目(2029年着工予定) 123,850㎡ 約78万円 ※パルムの数字の出典は品川区議会答弁ですが、小山三丁目の数字は区議会答弁ではなく、東京都による組合設立認可(2025年11月27日)を報じた建設通信新聞デジタルの記事によるものです。出典の性質が異なる点にご留意ください。 小山三丁目のほうがパルムより2割以上高い単価です。 この単価を千歳烏山(88,600㎡)にあてはめると...